与党「共に民主党」は15日、検察の捜査権を全面的に廃止する法律改正案を国会に提出しました。
改正案は、「共に民主党」が検察改革の一環として文在寅(ムン・ジェイン)大統領の任期内の成立を目指すもので、刑事訴訟法196条に規定された検察の直接捜査権を原則的に廃止することを骨子としています。刑事争訟法では、検察が持つ捜査権として、不正腐敗・経済・公職者・選挙・防衛事業犯罪・大規模惨事のいわゆる「6大犯罪」に対する捜査権を明記していますが、改正案ではこうした条項も削除する内容となっています。
「共に民主党」は、「警察が検察に事件を送致または書類を送付したあとも、直接捜査ではなく警察を通じた補完捜査が行われるように見直した」と明らかにしました。
ただ、捜査機関同士の相互監視のため、警察や高位公職者犯罪捜査処に所属する公務員については、検察が捜査できるようにしているということです。
「共に民主党」は、早ければ来週の法制司法委員会での審議を経たうえで、4月末の本会議で成立させることを目指すとしています。
これに対し、最大野党「国民の力」は、強く反発しています。
「国民の力」の権性東(クォン・ソンドン)院内代表は、「‘共に民主党’が国民を説得できなければ文在寅大統領が拒否権を行使すべきだ」としたうえで、「それができなければ、文大統領は‘共に民主党’の集団利己主義に同調したも同じだ」と主張しました。
一方、尹錫悦(ユン・ソンニョル)次期大統領が14日、法務部長官候補に最側近の韓東勲(ハン・ドンフン)検事長を指名したことについて、「共に民主党」の尹昊重(ユン・ホジュン)非常対策委員長は、「国民に対する宣戦布告だ。法務部と検察を先頭に立たせて検察共和国を完成させようとしている」と激しく反発しました。