入院治療中に恩赦によって釈放され、24日の朝、退院した朴槿恵（パク・クネ）前大統領が、大邱（テグ）の私邸に到着しました。 
朴氏は24日正午過ぎ、大邱達城（タルソン）郡にある私邸に到着し、私邸の前で待っていた200人あまりの支持者らの歓迎を受けました。
笑顔を見せながら挨拶した朴氏は、「私が至らず、失望を与えたにもかかわらず、このように多くの方に歓迎していただき、感謝します」と話しました。
朴氏は「振り返れば、この5年間は私にとってとても耐え難い、つらい時間だった。政治的な故郷で、心の故郷でもあるここ達城に帰る日を思い浮かべながら耐えてきた」と語りました。
また「いまから24年前の1998年に、私が初めてここ達城に来たとき、私を温かく迎えていただいた皆様の支持と励ましに支えられ、補欠選挙で初めて国会議員に当選し、4回当選を果たしたあと、大統領にも当選した」と振り返りました。
さらに「私なりに国と国民のために一生懸命働くつもりだったが、かなえられなかったたくさんの夢がある。それらは、もうほかの人のものだと思う。優秀な人材が、私の故郷である大邱の発展を成し遂げ、さらには韓国の発展にも貢献できるよう、微力ながらお手伝いしたい」と述べました。
あいさつをしていた朴氏に対して、焼酎の瓶が投げつけられる騒ぎがありましたが、近くの警察官によってすぐに取り押えられました。
朴氏の代理人は記者団に対して、尹錫悦（ユン・ソンニョル）次期大統領との会合について、「尹氏が、朴氏を訪ねるという話をメディアを通じて耳にしたが、直接聞いてはいない。連絡が来れば、朴大統領が判断し、メディアに知らせることになるだろう」と話しました。 
尹氏は24日、朴氏の私邸を訪れると積極的な姿勢を示しています。
また5月10日に行われる就任式にも朴前大統領を招待する方針だと明らかにしています。
尹氏は2016年に朴氏が弾劾された当時、朴氏の親友、崔順実（チェ・スンシル）被告の国政介入事件を捜査する特別検察官の捜査チーム長を務めていて、その後、ソウル中央地方検察庁長を務めていた際は、長年積み重ねられた弊害の「積弊」清算のための捜査を指揮し、朴氏に対する重い刑罰を導き出しています。