次期大統領の尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏が、大統領の執務室をソウル市龍山(ヨンサン)区にある国防部庁舎内に移転する方針を発表したことについて、大統領府青瓦台は21日、「短期間での移転計画には無理な面がある」と反対する意向を表明し、尹氏と現政権の間で早くも対立が始まっています。
尹氏は20日の記者会見で、大統領執務室を現在の青瓦台からソウル市龍山区にある国防部庁舎内に移転し、大統領に就任する5月10日には新たな執務室で勤務を開始する計画を発表しました。
これについて、青瓦台の朴洙賢(パク・スヒョン)国民疎通首席秘書官は、北韓がミサイル発射など、挑発を高めるなか、短期間での移転は、安全保障の空白や混乱を招きかねないとして、即時移転に反対する考えを示しました。
これを受け尹氏側は、「残念だ」としたうえで、「移転計画について国民に丁寧にお話したのに、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が協力拒否を続けるのであれば、計画を強制的に実施する方法がない」として、就任後は現在、政権引継ぎ委員会が置かれている事務室で暫定的に業務にあたる考えを示しました。