不特定多数が利用する施設に入る際に新型コロナのワクチン接種完了、またはPCR検査での陰性を証明しなければならない「防疫パス」を適用する政府の措置について、ソウル行政裁判所は学習塾などが起こした行政訴訟で執行の一時停止を認めました。
ソウル行政裁判所は、学習塾や全国の小中高生の保護者などからなる市民団体などが保健福祉部長官を相手取って起こした集団行政訴訟で、4日、この措置の執行停止申請を認め、学習塾や有料の自習室、スタディーカフェなどを防疫パスの適用施設に含めるとする制度の一部の効力の一時停止を決定しました。
裁判所は理由として、ワクチン未接種者の自己決定権を尊重すべきだ。そして青少年は重症化したり死亡する確率が著しく低いことを挙げています。
今のところ、18歳未満の青少年は防疫パスの対象外となっているため、今回の裁判所の決定によって防疫パス制度の対象外となるのは成人向けの施設だけとなりますが、政府が3月1日から施行する予定の青少年向けの防疫パスに影響を及ぼすものとみられます。
政府は、青少年が主に利用する学習塾などを防疫パスの対象施設に含め、青少年にも防疫パス制度を適用すると発表したところ、保護者や学習塾から強い反発が出ていました。
このため、教育部は当初、2月1日から適用する予定だった青少年の防疫パス制度の施行を3月に延期していました。
政府は、とりあえず裁判所の決定に従って、学習塾などに対する防疫パス適用を中断することにしましたが、防疫パスの拡大が必要だとする立場は変えておらず、裁判所の決定に対して即時抗告することにしています。