収賄罪などで22年の懲役刑が確定し服役していた朴槿恵(パク・クネ)前大統領が特別赦免を受け、31日午前0時、入院先の病院で釈放されました。
拘束を解かれるのは2017年3月に収監されてから4年9か月ぶりです。
ソウル拘置所に収監されていた朴氏は健康が悪化し、少なくとも来年2月初めまで病院に入院して治療を受けるということです。
これに先立って、朴前大統領が支持者と交わした獄中書簡を集めた本が30日に出版されました。
それによりますと、自身が弾劾されたことについて「嘘は、しばらく人々の目を覆い、耳をふさいで世の中をだますことができるだろうが、時間が過ぎれば真実がその姿を必ず現す」と主張しています。
また「セウォル号空白の7時間」に関連し、「その日は私の体調が良くなかったので、青瓦台の官邸で関連の報告を受けた。セウォル号が沈没した当時の状況に関連し、私に対する奇怪なデマと悪意の謀略があったが、私は真実の力を信じていたので沈黙していた」として、「後日の歴史の法廷で真実が明らかになる」「多くの時間が経過すればどれが真実かが明らかになるだろう」と綴っています。
朴氏は持病により、先月11月22日に入院し、1か月間の治療を受ける予定でしたが、医師からさらに6週間以上の入院が必要という診断を受けました。今回の赦免も、朴氏の健康問題が主な理由になっているとされます。
朴氏は赦免になっても関連法に基づく大統領経験者としての礼遇は剥奪されたままとなり、大統領警護処による警護のみを受けることになります。法律によると任期を終える前に退任した場合の警護期間は5年間ですが、朴氏は4年9か月間服役していたため、原則的には3か月後の来年3月初めには警護が終了し、警察に移管されます。しかし、「警護が必要だと認める国内外の要因」でも警護できるとの条項があり、大統領警護処と警察の間で協議が行われるものと見られます。