文在寅(ムン・ジェイン)大統領は15日、3泊4日のオーストラリア国賓訪問を終え、帰国の途に就きました。
15日午前シドニーを発ち、夜に帰国する予定です。
韓国大統領がオーストラリアを国賓訪問したのは12年ぶりで、文大統領はモリソン首相と首脳会談を行い、両国関係の協力・発展について協議したほか、オーストラリアの経済関係者らと原材料や主要鉱物のサプライチェーンの安定的構築に向けた協力をテーマに懇談会を行いました。
今回の訪問の成果としては、オーストラリア陸軍に「K9」自走砲を輸出する1兆900億ウォン規模の契約を成立させたことや、鉱物やレアアース(希土類)のサプライチェーンをめぐる協力を強化することで一致したことがあげられます。
一方で、米中対立が深まるなか、両国の間でバランスを取らなければならないという課題も改めて突き付けられました。
オーストラリアは、来年2月の北京冬季オリンピックに政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を決めていますが、文大統領はモリソン首相との共同記者会見で「韓国政府は検討していない」と明らかにしています。
文大統領は「北韓の非核化のために中国の建設的な努力が求められる」としていて、停滞した南北対話再開に向けて中国の後押しが不可欠だと判断していますが、一方で、アメリカを中心とする中国けん制の動きにもうまく対応することが課題となっています。