アメリカのバイデン大統領が主催した「民主主義サミット」が韓国時間の9日夜、開かれ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、12か国と地域だけが参加する本会議の最初のセッションで発言し、「フェイクニュースから民主主義を守る自浄能力を養わなければならない」と強調しました。
文大統領は、民主主義を脅かす要素として、ポピュリズムと過激主義、不平等と二極化、嫌悪と憎悪、フェイクニュースを挙げました。
なかでもフェイクニュースから民主主義を守る自浄能力を養わなければならないとしたうえで、「個人の自由や表現の自由は固く保障されるべきだが、みんなのための自由との調和をなす必要がある」と話しました。
また文大統領は、不正腐敗こそが民主主義の最大の敵だとして、請託防止法、公益通報者保護制度など韓国の反腐敗政策の成果を国際社会と共有すると述べました。
さらに韓国の電子政府システムを開発途上国とシェアしたいと話しました。
文大統領は、わずか50年で経済発展と民主化を成し遂げた経験を踏まえ、韓国も国際社会の民主主義の進展に貢献していくと強調しました。
バイデン大統領は、中国とロシアを強く批判しましたが、文大統領は中国に関する発言はしませんでした。
韓国はアメリカの同盟国ではありますが、最大の貿易相手国の中国との関係も蔑ろにすることはできないため、慎重な発言にとどめたとみられます。
「民主主義サミット」は、バイデン大統領の呼びかけで初めて開かれ、およそ110の国や地域の首脳などがオンラインで参加しました。