アメリカで開かれた韓日米外務次官協議後に予定された3者による共同記者会見が、独島(トクト、日本でいう竹島)をめぐる韓日の対立で中止となり、韓日関係の冷え込みが改めて浮き彫りになっているなか、両国の交流拡大の重要性を強調する声が、両国政府関係者から上がっています。
相星孝一韓国駐在日本大使は19日午前ソウルで開かれた韓日親善協会中央会セミナーで祝辞を述べ、先月からビジネス目的の入国者を対象に一定の条件下で隔離期間が3日に減ったことに触れ、「人的交流の全面再開までは紆余曲折があるだろうが、これをきっかけに人的交流がさらに拡大されることを期待する」と述べました。
相星大使は、韓日関係が悪化していることについては「日韓の懸案は明るい話題ではない」と述べるにとどめ、両国の青年と文化交流の重要性を強調しました。
外交部の崔鍾文(チェ・ジョンムン)第2次官は、韓日対立の解消に向けて韓国政府は開かれた姿勢であるとした上で、「現在の厳しい状況は、一方の努力だけでは打開できない。創造的で互恵的な解決のためにはコミュニケーションと協力を続けなければならない」と強調しました。
会議を主催した韓日親善協会中央会の会長で、元駐日韓国大使の柳興洙(ユ・フンス)氏は、「米中が対立を深めるなか、韓日は協力を強化しなければならないにもかかわらず、関係改善の糸口さえも全く見えていないのが今の状況だ。両国政府は問題を放置しているように見える」と指摘したうえで、岸田政権の発足と来年3月の韓国の大統領選に触れ、「こうした政治的な大きな変化は、対立を解消する絶好の機会になる」と述べ、関係改善に向けた努力を呼びかけました。