アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が、今月から量的緩和の規模を段階的に縮小する「テーパリング」と呼ばれる対応を始めると宣言しましたが、これが韓国銀行の通貨政策にどのような影響を与えるかに注目が集まっています。
FRBは3日(現地時間)、金融政策を決める会合を開き、去年3月に新型コロナウイルス感染拡大への対応として始めた「ゼロ金利」と「量的緩和」の2つの金融緩和策のうち、量的緩和の規模を段階的に縮小する「テーパリング」を始めることを決めました。
これを受けて、韓国国内の市場でも緊張が高まっています。
韓国銀行の金融通貨委員会がアメリカのテーパリングに注目しているのは、アメリカが金融政策の転換に乗り出しこと、とりわけ、テーパリングがアメリカの政策金利の引き上げを予告するものだからです。
ドルのような基軸通貨を持たない韓国の立場からすると、政策金利がアメリカよりある程度高い水準状態を維持できずに同水準、または低くなってしまうと、より金利の高いドルへと外国人投資家の資金が流れてしまう状況が発生するからです。
ただ韓国銀行の関係者は「政策金利の引き上げに関するFRBの言及はなかったため、今月の金融通貨委員会の決定に大きな影響は与えないものとみられる」と語っています。
このため、韓国銀行はことし8月からスタートした先制的な政策金利の引き上げ基調をいったん来年まで維持し、FRBの動向を見守るものとみられます。
現在、韓国の政策金利(0.75%)は、アメリカ(0.00~0.25%)より0.5から0.75ポイント高い水準となっています。
韓国銀行は、アメリカなど主要国の景気や物価上昇と国内の金融市場の変動可能性に備えて、市場のモニタリングを強化し、必要な場合には国債の買い入れを行う計画です。