与党「共に民主党」は19日、メディアの故意や重過失による虚偽報道に対して損害賠償を請求できるいわゆる「言論仲裁法」の改正案を、国会の文化体育観光委員会で可決しました。
この法案をめぐっては、野党やメディア団体が、言論の自由を損なう法律だとして、強く反発しています。
「言論仲裁法」改正案は、メディアの故意・重過失による虚偽・ねつ造報道に対し、損害賠償を請求できることを骨子としていて、訂正報道や記事閲覧遮断も請求できます。
この日の国会で、与党「共に民主党」所属の国会議員が、改正案に全員賛成した一方、最大野党「国民の力」の議員は、「言論仲裁法」は言論の自由を抹殺する法律であるとして、委員長席を取り囲んで抗議するなど、改正案の採決に反対する姿勢を改めて示しました。
与党は、改正案について、悪質的なフェイクニュースによる被害者を保護するための法律と説明していますが、野党やメディア団体は、フェイクニュースかどうかを判断する基準が明確でなく、報道の自由を脅かしかねないと懸念を示しています。
海外からも批判が出ています。国際新聞編集者協会は、言論仲裁法について、懲罰的損害賠償の導入は権力を監視する報道を威嚇すると指摘し、法律の改正を撤回するよう呼びかけました。
改正案に対する批判が高まっていますが、与党は強行する立場を崩さず、25日の本会議での成立を目指すとしています。