北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が労働党党大会で、韓国に対して南北合意の履行を強調したことを受け、政府は南北合意を履行する意思があるとの立場を示しました。
統一部は9日、北韓の労働党党大会に関する論評で「韓半島に非核化と平和の定着、南北関係の発展を追求していくとする政府の立場に変わりはない」と強調しました。
そのうえで、「南北が相互信頼と尊重をもとに、近いうちに韓半島の平和と繁栄の新たな出発点をつくることを期待する」としました。
また、「アメリカの新政権発足が、米朝関係の改善に前向きなチャンスとなる可能性があるだけに、米朝対話が早急に再開されることを期待する」とし、「今後発表される北韓の立場も注視する」としました。
朝鮮中央通信は9日、今月5日から3日間行われた労働党第8回党大会で、金委員長が韓国側に南北合意を誠実に履行することを求めたと伝えました。
金委員長は、「現時点で南朝鮮当局に、以前のように一方的に善意を示す必要はなく、われわれの正当な要求に応えた分だけ、北南合意の履行に向けて動いた分だけ相手にすべきだ」と述べました。
しかしその一方で、「南朝鮮の態度次第では、近いうちに3年前のように平和と繁栄の新たな出発点に戻ることもできる」と述べ、関係改善の余地を残しました。