北韓へのビラ散布の禁止などを盛り込んだ「南北関係発展に関する法律」の改正案、いわゆる「北韓ビラ散布禁止法」を巡り、国内外で議論が広がっているなか、元イギリス駐在北韓公使で野党「国民の力」の太永浩(テ・ヨンホ)議員は5日、 文在寅(ムン・ジェイン)大統領に、「北韓ビラ散布禁止法」撤回を求める書簡を送りました。
太議員は書簡で、「この10年間、北韓に入り込んだ韓国の文化コンテンツが、北韓の住民と軍人の心に深く伝わり、我々に対する警戒心を和らげたり、憧れの心を抱かせるなど、急激な変化を引き出すことができた」として、「北韓ビラ散布禁止法の公布は、韓半島を平和統一に導く文化力を自ら放棄することである」と指摘しました。
また、従来の法律でも、軍事境界線付近での北韓向けビラ散布を制限することはできたとして、「北韓ビラ散布禁止法の公布が、北韓の脅しに屈したように受け止められ、北韓が新たな脅しや恐喝を行う可能性があるほか、アメリカのバイデン次期大統領の目にも、韓国が北韓に振り回されているように映る可能性がある」と主張しました。
これに先立って、太議員は法律の撤回を求める政策報告書を、与野党の議員全員に送付したほか、各国の駐韓大使や、アメリカ、イギリスの議員、海外の人権団体などにも同法の不当性を訴える文書を送付しています。