韓国船籍の石油タンカーがイランの革命防衛隊にだ捕された問題で、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官は5日、「だ捕状態が早急に解除されるよう、韓国駐在のイラン大使館やイラン駐在の韓国大使館を通じて引き続き情報を把握し、解決に向けて努力している」と話しました。
抑留の背景に、韓国国内の銀行に預けられているイラン中央銀行名義の資金が凍結されていることへの不満があるのではないかという見方があることについて、康長官は「いまはそういうことを話す状況ではない。まずは事実関係を把握したあと、韓国の船員の安否を確認することが急務だ」と話しました。
外交部アフリカ中東局の高炅錫(コ・ギョンソク)局長は5日午後、韓国駐在のサイード・シャべスタリ・イラン大使を呼んで、遺憾の意を表明したうえ、早急な抑留解除を要請しました。
アメリカは、イラン核合意から離脱した2018年以降、イラン産原油の輸入禁止措置を取り、去年4月には韓国を含む8か国にもこの措置に従うよう圧力を加えています。
このため、韓国とイランの間の貿易は事実上途絶え、韓国国内の銀行に預けられているイラン中央銀行名義のウォン建て資金も凍結となっています。
アメリカ政府のこうした制裁により、現在韓国国内の銀行に凍結されているイランの資金は、7兆6000億ウォンに上るとされます。