与党「共に民主党」の李洛淵(イ・ナギョン)代表は、現在、刑に服して収監されている李明博(イ・ミョンバク)元大統領と、近く刑が確定する朴槿恵(パク・クネ)前大統領に対する恩赦を、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に提案する考えを示しましたが、党内から反発の声が高まり、世論の動向を見守ることになりました。
李洛淵代表は、聯合ニュースとの新年のインタビューで、「李明博元大統領と朴槿恵前大統領に対する恩赦について、適切なタイミングに文大統領に提案する」と語りました。
しかし李代表は、与党内部から反発の声が高まったため、3日午後、最高委員会議を開いて調整にあたりましたが、「当事者の反省」と「国民のコンセンサスの形成」という前提条件を踏まえて、今後、世論を見守ることになりました。
李代表は会議のあと、記者団に対して、「李元大統領と朴前大統領に対する恩赦は、平素からの考えだ。一つにまとまる政治の実現を望む私の考えを語ったものだ」と説明しました。
また事前に大統領府青瓦台の共感を得たかという質問に対しては、「まだ共感は得ていない」と否定しました。
これに対して、最大野党「国民の力」は、「発言に責任を負うべきだ」と批判しています。
李洛淵代表のこうした発言は、ことし4月に行われるソウル市長と釜山市長を選ぶ補欠選挙で、保守性向の有権者を狙ったものという見方も出ています。
政界は、今月14日に言い渡される予定の、最高裁判所にあたる大法院の朴前大統領に対する再上告審での判決に注目しています。
また近く開かれる予定の新年会見で、文在寅大統領がこの問題についてどのような考えを表明するかにも関心が集まっています。
★2021年1月21日修正