大統領府青瓦台の盧英敏(ノ・ヨンミン)秘書室長と、金尚祖(キム・サンジョ)政策室長、金宗浩(キム・ジョンホ)民情担当首席秘書官が30日、辞意を表明しました。
鄭萬昊(チョン・マンホ)国民疎通担当首席秘書官は30日、「この3人は国政を一新するきっかけになることを望むとして辞意を表明した」と説明しました。
文在寅大統領が決断した尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長に対する懲戒処分について裁判所が効力停止を決定したことや、新型コロナウイルスのワクチン確保が遅れているとする批判を受けて政権の支持率は30%台まで急落しています。こうしたなか政権内部からもレームダック化を避けるために人事の刷新が必要だという声が出ていました。
盧英敏秘書室長は2019年1月に就任し、およそ2年間文在寅(ムン・ジェイン)大統領を補佐してきましたが、ことし8月にも辞意を表明しています。
当時は、文在寅政権に入って不動産政策に対する不満から与党の支持層が離脱する中、住宅価格が最も高いソウルの江南(カンナム)に複数の住宅を保有していたことで批判を受けたことが理由でした。
文在寅政権では、不動産価格を安定させると宣言し、これまでさまざまな政策を打ち出してきましたが、現政権に入ってからの3年間、ソウルの住宅価格は前政権の1.4倍にあたる34%も上昇し、国民から不満が高まっています。
一方、金宗浩民情担当首席秘書官は、就任からわずか4か月ですが、尹錫悦検察総長に対する懲戒処分を裁判所が受け入れると判断して文大統領に報告していたことが辞意の背景にあるとみられています。
文大統領は、政局を早期に安定させ、政権5年目に入る来年の安定的な国政運営のため、この3人の辞意を受け入れるものとみられています。