文在寅(ムン・ジェイン)大統領は30日、政府高官の汚職などを捜査する新しい組織「高位公職者犯罪捜査処」のトップとなる捜査処長に、元裁判官の金鎮煜(キム・ジンウク)憲法裁判所上級研究官(54)を指名しました。
文大統領が進める検察改革の柱となる高位公職者犯罪捜査処は、来年1月に発足する予定で、今回の人選は検察権力へのけん制を踏まえたものとみられています。
高位公職者犯罪捜査処は、大統領の直轄組織で、大統領や国務総理を含む上級の国家公務員、国会議員、将官級以上の軍人、地方自治体の首長と、それらの家族に対する捜査権を持つほか、長官、裁判官、検事、警察の上級職員と家族に対しては、捜査権に加え、起訴する権限も持ちます。
そのトップの候補として、国会は28日、金鎮煜氏と、国民権益委員会の副委員長で24年間、検察組織に所属していた李建リ(イ・ゴンリ)氏の2人を選んでいました。
金鎮煜氏は、ソウル大学の考古学科と法科大学院を卒業して、1995年に裁判官に任官され、1998年から12年間は韓国最大手の「金・張法律事務所」で弁護士として活動し、そのあと、憲法裁判所の憲法研究官などを務めていましたが、検察組織に身を置いたことはありません。
金鎮煜氏は国会の人事聴聞会を経て正式に任命されます。
次官級で、任期は3年です。