国内政治への関与を制限することなどを柱とした国家情報院法の改正案が国会で可決されたことについて、朴智元(パク・チウォン)国家情報院長は16日、国家情報院改革が法制度により完成したとして、今後、国内政治への介入は一切ないだろうと強調しました。
朴院長は、国家情報院法の改正案が今月13日に国会で可決されたことについて「1961年に創設されて以来初めて国家情報院がするべきことと、してはいけないことが明確に定められた」と評価しました。
国家情報院は、過去に、共産主義活動の摘発を名目に、反政府運動や民主化運動を弾圧したほか、保守系政権時に野党候補を攻撃する組織的な世論工作を展開するなど、政治への関与を繰り返してきた歴史があり、文在寅(ムン・ジェイン)政権は、情報機関の組織改革を公約として掲げてきました。
今回の改正案では、政治への関与が懸念される情報の収集と分析を禁止するほか、スパイ活動など共産主義活動の捜査を行う対共捜査権を、3年の猶予期間を経て、警察に移管することが柱となっています。
朴院長は、従来の職務範囲から「国内保安情報」を削除し、政治介入が懸念される組織を解体し、新たに設置できないようにしたとして、今後、国家情報院の政治介入は一切ないだろうと強調しました。
また、対共捜査権を警察に移管することについては、「情報収集と捜査分離の大原則を実現し、人権侵害の余地をなくした」として、捜査権の移管により国家安保捜査に空白が生まれることを防止するため、関連機関との協力をさらに強化するほか、担当組織の新設も検討する方針を示しました。
朴院長は、今後の国家情報院のあり方について、世界一の北韓・海外情報専門機関として生まれ変わり、AI=人工知能や人工衛星などの科学情報力を強化し、ハッキングやサイバーテロへの対応に集中し、国民、国家、企業を保護していくと述べました。