文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、ことし国交正常化から30年を迎えたロシアに対し、自身の側近で、禹潤根(ウ・ユングン)前ロシア駐在大使を今月、特使として派遣し、交流拡大を図ることになりました。
大統領府青瓦台の康珉碩(カン・ミンソク)報道官が11日に明らかにしたところによりますと、禹氏のロシア訪問は、ことし韓国とロシアの国交正常化30周年を記念し、両国関係の発展に向けた方策について話し合うためで、禹氏はロシア政府高官や議会の関係者と会談し、ロシアとの関係強化に向けた韓国政府の強い意志を伝え、両国間の友好協力の増進に向けた方策について協議するということです。
政府は、今回の特使派遣で、9月に文大統領とプーチン大統領の間で話し合われた、両国が9つの分野で協力を目指す「九つの橋」事業を具体化するなど、合意内容の履行を確認する一方で、両国の高官級の交流・協議の活性化について意見交換したい考えです。
「九つの橋」は、韓国政府の「新北方政策」とロシア政府が進める極東地域の開発を関連づけ、ガス、電力、造船、北極航路、鉄道、港湾、雇用、農業、水産の9つの分野で協力を拡大するという戦略です。
康報道官は、「新型コロナで対面外交が難しいなか、ことし国交正常化30周年を迎えて両国関係をさらに発展させ、韓半島の非核化と恒久的な平和定着に向けた両国間の緊密な連携に向けた意志を再確認できると期待している」と述べました。