新型コロナウイルスの感染拡大が続き、ワクチン確保への関心が高まるなか、 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、財政的な負担が増えても、国民の安全と命を最優先に考える必要があるとして、保健当局に対し、ワクチン確保に向け引き続き努力するよう指示しました。
文大統領は9日、大統領府青瓦台の国家危機管理センターで、新型コロナウイルスの感染防止対策の現状について確認するオンライン会議に出席しました。
文大統領は、先日政府が4400万人分のワクチンを確保したと発表したことについて、「4400万人分のワクチンは、国民の集団免疫を獲得するうえで、十分な量であるが、ワクチンが非常に短期間で開発されたことから、突発的な状況が起きかねないため、まだ安心することはできない」と指摘しました。
そのうえで、財政的な負担が増えるとしても、国民の安全と命を最優先に考えてほしいとして、ワクチンのさらなる確保に向け引き続き努力するよう指示しました。
また、ワクチンの効果と副作用などを十分にモニタリングし、韓国にワクチンが到着してから速やかに接種を始めることができるよう、接種計画を早期に準備するよう注文しました。
政府は8日、新型コロナウイルスのワクチンを共同購入する国際的な枠組み「COVAX ファシリティ」と海外の製薬会社を通して、合わせて4400万人分のワクチンを確保したと発表しました。
ワクチンは来年2月ごろから段階的に導入される見通しで、政府は、新型コロナウイルスに感染すると重症化しやすい人や医療関係者などを対象に優先的に接種する方針です。