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死刑の廃止を視野に入れた死刑執行の一時停止を求める国連の決議案に、韓国が初めて賛成票を投じました。
今月17日、国連総会第3委員会の会議で、今回で8回目となる死刑執行の一時停止(モラトリアム)を求める決議案が出され、採決の結果、賛成120か国、反対39か国、棄権24か国で可決しました。
決議案には、なお続く死刑執行に対する懸念、死刑執行の漸進的な制限と子ども・妊婦・知的障害者に対する死刑宣告の制限、死刑制度廃止を念頭に置いた死刑執行の一時停止などの内容が盛り込まれています。
この決議案が2007年に初めて採択されて以来、韓国は毎回棄権を表明してきましたが、ことしは初めて賛成票を投じました。
これについて、法務部は、韓国が国際社会から「事実上の死刑廃止国」と認識されていることや、決議案の賛成国が増え続けていることなどを踏まえた決定であると説明しています。その一方で、死刑制度を廃止の可否については、「国の刑罰権の根本にかかわる重大な問題であり、さまざまな面を総合して慎重に検討していく必要がある」としています。
韓国は、死刑制度を有していて、現在、収監されている死刑囚の数は60人ですが、1997年12月30日を最後に死刑は執行されておらず、国際社会では、事実上の死刑制度廃止国とみなされています。