第21代国会が成立して、初めての国政監査が、7日スタートし、法務部長官の家族に関する疑惑や北韓による韓国人男性射殺事件などをめぐって与野党が激しく対立しました。
国政監査は、政府の独走をけん制するため、毎年定期的に、国会が政府に対し、主要政策や予算の執行状況などの国政全般について監査を行うものです。
ことしは、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、監査を行う議員を50人以下に制限するなど、規模が縮小されました。
初日には、14の常任委員会で、70の政府機関を対象に、監査が行われました。
国防委員会では、秋美愛(チュ・ミエ)法務部長官の息子の兵役中特別待遇疑惑や、北韓による韓国人公務員の射殺事件を巡り、与野党は、証人の採択問題で激しく対立しました。
最大野党「国民の力」の議員が、秋美愛長官の息子を巡る疑惑について、「野党が要請した証人の採択を、与党が1人も受け入れなかった」として、「これでは事件の真相を究明できない」と批判したのに対し、与党「共に民主党」は、「まだ捜査中である疑惑について、証人を呼ぶのは適切ではない」としたえうえで、「国政監査は、国政について検証する場であり、長官の道徳性を検証する場ではない」と強調しました。
また、北韓の韓国人公務員射殺事件についても、証人が採択されなかったことに野党側が反発したことに対し、与党側は、機密情報の漏えいが懸念されるため、証人を採択することは難しいと説明しました。
このほか、国土交通委員会では、LCC=格安航空会社のイースター航空が従業員600人あまりを解雇した問題が取り上げられたほか、 外交部に対する監査では、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官の夫、イ・イルビョン延世(ヨンセ)大学名誉教授が、ヨットを購入するためアメリカに出国したことが挙げられ、康長官は、新型コロナウイルスにより海外旅行が自粛されるなか、夫が海外に出国したことは、その経緯に関係なく、とても申し訳なく思うと述べました。