文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、24日に大統領府青瓦台で行われた首席秘書官会議で「コロナ禍初期よりもはるかに厳しい非常状況」との認識を示しながら「今の段階で感染を防げなければ、防疫レベルを(最高レベルの)第3段階へ引き上げざるを得ない」と述べました。
また、文大統領は国民に対して「今の非常事態を打開していく力は、防疫の主体である国民にある」とし「防疫レベル第2段階による防疫ルールを順守し、防疫に協力していただくよう心よりお願いする。とくにマスク着用を今一度強く求める」と述べ、国民に協力を呼びかけました。
さらに、「行政命令を拒否して防疫に協力しなかったり、(自主隔離中に)無断で外出したりするなどの行為も容認できない」として、「いかなる宗教の自由も、集会の自由も、表現の自由も国民に大きな被害を与えてまで主張することはできない」と述べ、国民の安全を守るための手段として、公権力の行使も辞さない考えを強調しました。
韓国では、新型コロナウイルスによる感染が、ソウルのサラン第一教会での集団感染などの影響で首都圏を中心に広がっていましたが、8月15日に都心の光化門(クァンファムン)で開かれた反政府集会や職場、遊興施設などを通じて急速に各地に広がりました。
新規感染者数は21~23日には3日連続で300人台を記録するなど急増しています。
また、今月14日から11日連続で100人を超えており、この11日間の感染者数は、あわせて2895人とおよそ3000人に迫っています。
政府は24日、中央事故収拾本部の定例の会見で、新型コロナウイルスの全国的な感染拡大に対応するため、防疫レベルを最高レベルの「第3段階」に引き上げることを積極的に検討していると明らかにしました。
第3段階への引き上げは、国民の生活や経済に大きな衝撃を与えるだけに、世論や感染状況などを踏まえて慎重に判断するということです。