韓国の防疫当局者は、首都圏で新型コロナウイルスの感染者が急増しているだけでなく、全国的にも感染が拡大していることに懸念を示しました。
中央防疫対策本部の鄭銀敬（チョン・ウンギョン）本部長は17日、疾病管理本部で開かれた記者会見で、「新規感染者の発生地域は、首都圏だけでなく全国に急速に拡大している」と明らかにしました。
韓国では最近、教会、カフェ、飲食店、市場、学校など大勢の人が集まる場所を中心に新型コロナウイルスの集団感染が多発していて、新たな感染者は４日連続で100人を越えました。
４日から17日まで最近２週間の感染経路を見てみると、新規感染者1126人のうち733人（65.1％）が国内の集団感染に関連する患者で、関連経路が確認できていない感染者も131人（11.6％）に上っています。
鄭本部長は、このような状況について、「宗教集会から発生した集団感染が、首都圏以外の地域も含め、コールセンターや保育施設、療養施設などへ拡大している」と説明しました。
鄭本部長は、現在の状況ついて、「大規模流行の初期段階」だとし、「現段階で流行を抑えなければ、感染者数は幾何級数的に増加して、医療システムの崩壊や莫大な経済的被害に繋がり得る危機状況だ」と述べ、「防疫当局が最も懸念していた状況だ」と危機感を表明しました。
鄭本部長はまた、「医療体制や防疫措置だけで流行を遮断するには限界がある」と述べ、個人レベルでマスクの着用など予防ルールをきちんと守ることを呼びかけました。