韓国政府は15日午後、富田浩司(とみた・こうじ)駐韓日本大使を招致し、日本による植民地時代に多くの韓国人が強制労働された長崎県の端島、通称軍艦島の歴史を歪曲した展示が含まれている「産業遺産情報センター」が日本で開館したことについて、抗議しました。
外交部によりますと、李泰鎬(イ・テホ)外交部第2次官は15日午後2時ごろ、富田浩司駐韓日本大使を外交部庁舎に呼び、東京都新宿区にある「産業遺産情報センター」で15日から軍艦島の歴史を歪曲した展示が行われていることについて遺憾を表明したということです。
日本政府は2015年、軍艦島がユネスコ=国連教育科学文化機関の世界文化遺産に登録された当時、「本人の意思に反する韓国人の強制労働」を認め、犠牲者を追悼する内容を含む情報センターの設置を国際社会に約束していました。
しかし、今回の展示には、軍艦島などで韓半島出身者への差別はなかったと強制徴用の事実を否定する証言と資料が多数展示されているとされており、その約束をきちんと守らなかった格好となりました。
また、世界遺産委員会は、2018年6月、この問題をめぐって「当事国間の対話」を勧告しましたが、日本は韓国側の継続的な対話要請に応じていません。
日本による植民地時代当時、軍艦島をはじめ八幡製鉄所、長崎造船所、高島や三池炭鉱などには、朝鮮人3万3400人が動員され、中でも軍艦島には1943年から1945年まで500人から800人もの朝鮮人が徴用され、122人が亡くなったとされています。