金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長を批判するビラを風船で北韓側に飛ばしている脱北者団体を、政府が南北交流協力法違反の疑いで警察に告発し、その妥当性をめぐって議論が巻き起こっているなか、京畿道(キョンギド)は12日、軍事境界線付近を「危険区域」に指定するなどしてビラ散布を根本的にできなくすると表明しました。
京畿道は12日、ネット記者会見で、あらゆる行政力を使って北韓に向けたビラの散布を「源泉封鎖」すると表明しました。
災害および安全基本法にもとづいて軍事境界線付近を「危険区域」に指定し、人の通行を制限し、違反した場合は特別司法警察を投入して現行犯逮捕し、捜査機関に引き渡すなど、刑事処罰の対象にするとしています。
違反者には、1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金が科されるということです。
また、廃棄物管理法と海洋環境管理法を適用し、ビラ散布をゴミの無断投棄行為とみなして処罰するほか、屋外広告物法にもとづいてビラ散布行為に対し中止命令を出すとしています。
京畿道は、2014年に韓国の脱北者団体が京畿道漣川(ヨンチョン)から北韓に向けてビラをのせた風船を飛ばしたのに対し、北韓側が高射銃を発射して軍事的緊張が高まったことを例にあげ、ビラ散布は、災害および安全管理基本法における「社会災害」に当たり、危険区域の設定や通行制限、緊急措置などが可能との認識を示しました。
こうした京畿道の方針について、ビラ散布を行ってきた脱北者団体は強く反発しています。