1980年の光州(クァンジュ)民主化運動と関連して、死者に対する名誉毀損で起訴された全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領はおよそ1年ぶりに法廷に立ち、自らにかけられた疑いを否認しました。
1980年5月18日の光州民主化運動当時、軍によるヘリからの射撃を目撃したと証言した故チョ・ビオ神父の名誉を毀損したとして起訴された全元大統領は27日、光州地方裁判所で開かれた裁判に出席し、「1980年5月当時、ヘリコプターからの射撃はなかった」として、起訴内容を否定しました。
この日、検察側は、「当時、ヘリコプターからの射撃があった。全氏は、このような事実を知っているか、知ることのできる地位にあったが、回顧録で射撃はなかったと回顧録に書き、故チョ・ビオ神父の名誉を毀損した」として公訴事実を朗読しました。
裁判官の「公訴事実を認めるか」という問いに、全元大統領は、「射撃があったとすれば多くの人が犠牲になったはずで、ヘリコプターの射撃手はそんな無謀な行動をとらなかったであろうと信じている」と述べました。
全元大統領は、去年3月に裁判に出席した際にも公訴事実を否定しました。
裁判が終わったあと、全元大統領は去年と同様、光州市民らに対する謝罪はせず、市民らの強い非難や抗議を受けながら裁判所を去りました。
一方、被害者団体はこの日午前から裁判所の前で、全元大統領がひざまずいてる形の銅像を設置し、全元大統領の拘束を求めるデモを行いました。