文在寅(ムン・ジェイン)大統領が、反独裁民主化運動「4.19革命」から60年を迎えてソウルの国立4.19民主墓地で行われた記念式典に就任以来初めて、出席しました。
「4.19革命」は、1960年4月19日、当時の李承晩(イ・スンマン)大統領の率いる自由党政権が、長期独裁統治を図って不正な選挙を行ったことに反発して、大学生を中心とする市民が大規模なデモを繰り広げたもので、李承晩大統領の退陣につながりました。
文大統領は記念式典で演説し、「4.19革命は、その後の数々の民主化運動、そして2016年のいわゆる『ろうそく革命』につながる民主化運動の火種となった」としたうえで、「新型コロナウイルスの世界的な感染拡大といういまの危機を乗り越える力もこの精神にもとづく」として、経済再生に向けた国民の協力を呼びかけました。
また「いまの経済危機を乗り越えるためには雇用を守ることがもっとも重要だ」として、政府として雇用の維持に全力を尽くす方針を示しました。
さらに、「国民統合の力で、新型コロナウイルスが終息した以降の『新たな日常』、『新たな世界秩序』に備える」と述べました。
文大統領が4.19革命の記念式に出席したのは就任以来初めてで、日本による植民地からの光復以降、初めて起こった市民革命とされる「4.19革命」60周年の意義を強調し、政権の任期後半に民主化精神の実践にさらに精力的に取り組むという決意を表したものとみられます。