新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各国の間で、韓国人の入国を制限する動きが広がっているなか、康京和(カン・ギョンファ)外交部長官はアメリカやアラブ首長国連盟などの外相と電話会談し、過度な措置を自制するよう要請しました。
康長官は1日午前、アメリカのビーガン国務副長官と電話会談し、そのなかで、韓国でウイルスの感染が広がっているものの、一部の地域に集中していることや、高いレベルの検査能力を備えていること、検査の結果を国民と共有しながら対応に努めていることなどを強調し、両国間の交流を不要に冷え込ませる過度な措置は自制するよう求めました。
アメリカ政府は現地時間の29日、アメリカ国内で初めて新型コロナウイルスによる死者が出たことを明らかにするとともに、韓国の大邱(テグ)に対する渡航注意情報を4段階のうちもっとも高い「渡航中止」に引き上げています。
また康長官は、アラブ首長国連邦の外相とは1日夜、まだ韓国人の入国を制限していないカナダの外相とは2日午前、それぞれ電話会談し、交流を冷え込ませる過度な措置の自制を呼びかけました。
一方、ベトナム政府が29日午前、韓国を出発したアシアナ航空機に対してハノイ空港への着陸を許可しなかったため、出発から40分ほどで仁川(インチョン)空港に緊急回航したことについて、外交部のASEAN担当局長は1日午後、韓国駐在ベトナム大使を呼んで、抗議しました。
しかし、こうした韓国政府の外交努力にもかかわらず、韓国からの渡航者の入国を禁止したり、入国手続きを強化したりするなどの国や地域は2日現在、93の国と地域に上っています。