韓国政府がイランの反発を考慮して、ホルムズ海峡に韓国海軍の艦艇「清海(チョンヘ)部隊」を独自に派遣する方針を固めたもようです。
アメリカから帰国した大統領府青瓦台の鄭義溶(チョン・ウィヨン)国家安保室長は10日、ホルムズ海峡への派兵について「現在の中東情勢についてアメリカから詳しい説明を受けた。どんな方式にするかは、まだ慎重に検討中だ」と明らかにしました。
これについて外交部の高官は9日、非公開で記者団に対して、「アフリカ・ソマリアのアデン湾に展開している清海部隊を活用することができるとみている」と話したということです。
アメリカからの派兵要請を受けたものの、アメリカが主導するホルムズ海峡での共同防衛には参加せず、「自国国民の保護」を大儀名分とし、独自の派兵の形を取るとみられます。
清海部隊の主な任務は「有事の際の韓国国民の保護」で、この目的なら派遣地域を拡大することができます。
合同参謀本部が去年6月に海軍に送った公文書にも、「在外国民の撤収支援」のため清海部隊がホルムズ海峡に展開する可能性が高いと明記しています。
国防部は、清海部隊の展開範囲の拡大は、追加の派兵ではないため、国会の同意を得る必要がないとみています。
日本が同盟国のアメリカだけでなく、外交関係のあるイランの立場を考慮して独自の派兵という形を取ったように、韓国もイランの反発を考慮して、独自の決定であることを強調したものとみられます。
ところで、サイード・シャべスタリ韓国駐在イラン大使が9日、韓国メディアとのインタビューで「アメリカのホルムズ海峡への派兵要請に韓国が応じる場合、国交断絶も検討する可能性がある」としたことについて、イラン側は国交断絶には直接言及していないと説明しました。