検察による被疑事実や捜査状況の公表を厳しく制限する法務部の訓令改正をめぐって論争が起きているなか、自身の疑惑が取りざたされる曺国(チョ・グク)法務部長官も出席して、この問題についての政府と与党の協議が18日に開かれます。
法務部は2009年、捜査状況がメディアを通じて逐一詳細に公開されるのを遮断する目的で「検察広報準則」を設け、検察はこれにもとづいて、段階別に制限された情報を公開してきました。
しかし、法務部が最近、この準則を廃止し、刑事事件に関する情報公開を禁じる規定を新たに設けるとしています。
この規定は、捜査開始の段階から起訴したあとも刑事事件の内容の公開を禁じていて、記者は検事や捜査官との接触が一切できなくなります。
また被疑者が検察に出頭する姿を公開するのは原則禁止し、メディアに公開する捜査内容は審議委員会が決定するとしています。
さらに捜査内容を流出させたとみられる検事に対して、法務部長官が監察を指示することができるとしています。
「監察」という行為自体が、捜査情報の確認を前提としているため、この規定が設けられれば、最近様々な疑惑の中心にある曺長官が捜査機関に圧力を加えられるだけでなく、公務上の機密である検察の捜査計画や方向などもすべて把握できるようになります。
これについて、刑法上禁じられている「被疑事実の公表」を法務部の訓令の改正によって禁じるのが適切かどうか論争が起きています。
検事長出身の弁護士は、「刑法に被疑事実公表罪がすでに存在する。法律の下位規定の訓令を改正し、これに反する検事に対して監察できるとするのは、いま検察が進めている曺長官の家族をめぐる捜査の被疑事実をメディアに公表しないよう圧力を加えるようなものだ」と指摘しています。
ソウル中央地方検察庁は16日、曺長官の親戚に当たる30代の男について資本市場法違反などの容疑で裁判所に逮捕状を請求したと発表しました。今週中には曺長官の妻も呼んで事情を聴く方針です。