法務部長官候補に指名された曺国（チョ・グク）前大統領府民情首席秘書官をめぐる多くの疑惑について検察が捜査を進めているなか、ソウル高等検察庁のイム・ムヨン検事が4日、曺氏の辞任を訴える内容の文書を検察の内部通信網に掲載しました。
イム検事はこのなかで、「法務部長官に就任すること自体が、捜査チームに対する『暗黙の脅迫』である」と指摘し、「検察の捜査の公正性を守るために、曺氏は指名を辞退すべきである」と主張しました。
そのうえで、「現職の法務部長官が、検察に拘束される前代未聞の悲劇的な事態が発生する恐れがあり、懸念される」と述べました。
こうした中、朴槿恵（パク・クネ）前大統領や崔順実（チェ・スンシル）氏などを検察に告発した市民団体として知られている投機資本監視センターは4日、曺氏に対して、法務部長官候補を辞退することを求めました。
同センターは、ホームページを通じて公式の立場を発表し、「曺国法務部長官候補が過去2年間、民情首席として無能で無責任な態度を取ってきたにも関わらず、信頼し続けてくれた文在寅（ムン・ジェイン）大統領と国民に謝罪し、恩返しできる唯一の方法は、辞退することである」と主張しました。
そのうえで、「与党の共に民主党は、曺候補が法務部長官になったら、不正腐敗のない世界を作るとし、まるで『ロウソク政権』の皇太子へと美化することに余念がない」と非難しました。
イム検事と投機資本監視センターは、曺候補が辞退しなければならない理由として、▶74億ウォンの投資約定を締結した私募ファンド疑惑、▶曺氏の母親が理事長を務めている熊東（ウンドン）学園の債権・債務疑惑、▶娘の大学不正入学や奨学金の不正受給疑惑などを挙げています。