韓国環境部は8日、日本から輸入する石炭灰の放射性物質の検査を強化すると発表しました。
環境部は、日本からの石炭灰について放射性汚染への懸念が続いているとして、輸入通関の際に行われる環境安全管理の手続きを強化する方針です。
石炭灰を輸入する際に必要な放射性物質検査の結果に対する点検は、これまで四半期ごとに行っていましたが、これからは通関の際に全数検査を行い、問題が発見された場合には相応の措置を取る方針です。
現在、韓国のセメント工場は、日本の石炭火力発電所から排出された廃棄物である石炭灰を輸入してセメントの原料に使っています。
関税庁の資料によりますと、2009年から2019年までのおよそ10年間に輸入された石炭灰はあわせて1182万7000トンで、そのうち日本産が1182万6000トンとほとんどを占めています。
政府はこれまでも、石炭灰の放射性物質検査を強化する方策を検討していると伝えられていましたが、公式に発表したのは今回が初めてで、日本の経済報復への対応措置であるとの見方が出ています。