アメリカは、ロシアとのINF=中距離核戦力全廃条約から離脱したのに続き、地上発射型の中距離ミサイルのアジアへの配備に前向きな姿勢を示しており、その配備候補地に韓国が含まれているとされていますが、韓国国防部はこれを強く否定しています。
アメリカのエスパー国防長官 は3日、記者団に対し、アジア太平洋地域に地上発射型中距離ミサイルを配備したいとの考えを示しました。
海外メディアでは、配備候補地に韓国と日本が含まれていると報じています。
こうしたことから、9日に韓国で開かれる韓米国防長官会談で、地上発射型中距離ミサイルの配備が議題に上がる可能性があるとの見方が出ています。
これについて、韓国国防部は、「アメリカ側と協議したことも、検討したこともない」と強く否定しています。
アメリカが配備に前向きなミサイルは、地上から発射する新型の精密誘導中距離ミサイルです。射程距離は500~5500キロで、アジア地域に配備されれば、中国が射程に収まることになり、米中関係悪化につながる可能性が高いとみられています。
これについて、アメリカの狙いは、実際にアジア地域に配備することではなく、離脱したばかりのロシアとのINF=中距離核戦力全廃条約の枠組みを作り直し、これに中国を参加させるための交渉カードとして利用することにあるとの見方も出ています。
中国の環球時報は5日、「韓国と日本は、アメリカのアジア政策の弾除けになってはならない」「韓国と日本がアメリカを助けて中国とロシアに脅威になるなら、中国とロシアの報復による損害は大きくなるだろう」などとする社説を掲載し、ミサイルの配備候補地にあげられている韓国と日本に警告を発しました。