来年の韓国の最低賃金が、当初の予定だった1万ウォンを下回る8590ウォンに決まったことについて、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「国民との約束が守れず、申し訳なく、残念に思う」と述べました。
雇用労働部の最低賃金委員会は、12日、2020年の最低賃金を、ことしに比べて2.9%高い1時間当たり8590ウォンに決めました。
大統領府青瓦台によりますと、文在寅大統領はこれに対し、「就任3年以内に最低賃金を1万ウォンに引き上げるという国民との約束が守れなくなった。大変申し訳なく、残念に思う」と述べました。
文大統領はまた、「来年度の最低賃金は、経済や雇用状況を踏まえて最低賃金委員会が悩んだ末に出した結果だ。国民に率直かつ丁寧に説明し、対策作りに力を入れていく必要がある」と述べたということです。
文在寅大統領は、大統領選挙の際、大統領就任3年以内に最低賃金を1万ウォンに引き上げるという公約を掲げていましたが、今回の決定で実現が厳しくなったため、国民に対してお詫びの意を示したものとみられます。
一方、韓国の最低賃金は、ここ2年連続で2桁の上昇率となり、賃金上昇によるコストの増大で企業経営が苦しくなったという懸念の声が広がっていました。