北ヨーロッパの3か国を国賓として訪問している文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、通信強国とされるフィンランドやスウェーデンと5G=第5世代移動通信システムでの協力を強化する方針です。
フィンランドには世界的な通信機器大手「ノキア」、スウェーデンには「エリクソン」の本社がそれぞれあります。
5Gの通信機器の世界シェアは去年、ファーウェイが1位で、続いて、エリクソン、ノキア、サムスン電子の順でしたが、ことし1月から3月期にはサムスン電子がトップとなりました。
韓国のサムスン電子とスウェーデンの「エリクソン」、フィンランド「ノキア」の3社のシェアを合わせるとファーウェイを圧倒します。
現在、5G市場のトップランナーとされるファーウェイは、アメリカの制裁を受けています。
ファーウェイのライバル会社が連携すれば、市場の構図を変えられる絶好のチャンスと言えます。
文大統領はスウェーデンで世界シェア2位の「エリクソン」を訪問する予定です。
フィンランドでは5Gの次の規格の6Gに備えた協力に乗り出す方針です。
一方、大統領府青瓦台の関係者は7日、記者団に対して、「韓国国内の5Gネットワークでファーウェイの機器を使っている割合は10%を下回る。商用の通信網と軍事・安全保障用の通信網が明確に分けられているため、ファーウェイの機器を使っていても、韓米の軍事・安全保障への影響はまったくない」と明らかにしました。
青瓦台が、アメリカのファーウェイとの取引停止の要求に関する立場を表明したのは初めてです。
これとともに、青瓦台は、5G機器を生産している韓国企業を通じて、アメリカのファーウェイ排除の戦略に間接的に協力できるという意向を示しました。
アメリカがヨーロッパや東南アジアの国々に対してファーウェイとの取引を停止するよう集中的に求めていることから、韓国企業がこれらの地域でのファーウェイの拡大を食い止めることに協力することができるということです。