文在寅(ムン・ジェイン)大統領が「中央アジアにおける非核化の経験から教訓とインスピレーションを得ることができた」と発言したことをめぐり、カザフスタン方式の非核化に対する関心が高まっています。
アメリカが北韓に求めている非核化は、一括妥結式による非核化、いわゆる「ビッグ・ディール」です。これは、リビア方式の非核化をモデルにしているとされています。
リビアは2004年に核を廃棄し、それから2年後の2006年、アメリカは国交を正常化して、経済支援を行いました。
トランプ政権も北韓に対し、「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」なくしては、経済支援はできないという立場です。
一方で、カザフスタン方式の非核化の過程では、アメリカは核の廃棄と同時に経済支援を行っています。また、カザフスタン方式の場合、アメリカは経済的な補償に向けて、予算を投じたという点でも、リビア方式と異なります。
現在、トランプ大統領は、北韓に対する経済支援を行う意向を示していますが、予算の投入については否定的です。
こうしたなか、文大統領が中央アジア方式の非核化プロセスにアイデアを見出し、米朝交渉の突破口につなげるかどうかに、注目が集まっています。