日本による植民地時代に活動し、「序詩」などの作品で日本でも知られている韓国の詩人、尹東柱(ユン・ドンジュ)氏を題材にした創作歌舞劇「尹東柱、月を撃つ」が日本で披露されます。
公演企画会社の「ソウル芸術団」が22日、発表したところによりますと、東京の立教大学池袋キャンパスで開催されている尹東柱生誕100周年の記念行事「新しい過去への旅:ドキュメンタリーと舞台で出会う尹東柱」のフィナーレを、「尹東柱、月を撃つ」が飾るということです。
この歌舞劇は、抵抗詩人として知られる尹東柱氏の普遍的人間愛を、韓国的な音楽や舞踊で表した作品で、2012年に初めて上演され、ことしまで合わせて4回の公演がすべて興行的に成功しています。
尹東柱生誕100周年の記念行事は、立教大異文化コミュニケーション学部と韓国の延世大尹東柱記念事業会、ソウル芸術団が共同で開催し、尹東柱氏に関する講演やドキュメンタリー、映画、演劇などを紹介します。
立教大学は、「尹東柱氏の人生を描いた多様な芸術作品を通じて尹東柱氏についての記憶を人文学的に考察するため、今回の行事を企画した。この行事を通じて、尹東柱氏が生きた時代を振り返り、日本の若者たちが当時の人々が抱えていた苦しみや痛みを理解し、それを後世に伝えられればと思う」と話しています。
尹東柱氏は、今の中国延辺生まれ、日本による植民地時代の1942年に東京の立教大学、京都の同志社大学に留学しましたが、韓国語で詩を作ったとして治安維持法違反の疑いで逮捕され、27歳の若さで福岡刑務所で獄死しています。