中国の王毅外相が9日のアメリカのケリー国務長官との電話会談で、韓半島問題などについて触れ、中国の「戦略的安全利益」を強調したことがわかりました。
中国外交部の報道官が9日、定例会見で明らかにしました。
それによりますと、電話会談で王毅外相は、韓半島問題について言及し、中国の合理的で正当な戦略的安全についての懸念を示したうえで、「中国の戦略的安全利益が損なわれてはならない」と、アメリカのケリー国務長官に伝えたということです。
王毅外相が言及した中国の「戦略的安全利益」とは、アメリカの高高度迎撃ミサイルシステム「サード」の韓半島配備問題に関するものとみられます。
また王毅外相は、「現在、韓半島情勢は非常に緊張が高まっていて、こうした状況で各国は冷静を保ち、自制することで、互いへの刺激を避けるべきた」と述べました。
冷静と自制を求めたのは、最近始まった大規模な韓米合同軍事演習を念頭に置いたものだという見方も出ています。
このほかにも、国連安全保障理事会が採択した北韓に対する制裁決議を誠実に実行するとしたうえで、中国が重視している6か国協議の再開、そして、非核化と現在の休戦体制を平和体制に転換する交渉を並行して進めることへのアメリカの協力を呼びかけたとされます。
一方、この報道官は、王毅外相がロシアのラブロフ外相の招きで10日から2日間の日程でロシアを訪れると明らかにし、「全面的戦略協力パートナーの関係にある中国とロシアの外相は、深刻で複雑に変化しつつある国際情勢のもと、関心のある国際問題について意見を交わし、国際・地域平和を守っていく」と述べました。
王毅外相のロシア訪問は、「サード」の韓半島配備や6か国協議の再開問題で急接近している中ロの関係がさらに深まるきっかけになるとみられています。