2012年の大統領選挙の際、選挙への介入を指示したとして公職選挙法違反などの罪に問われ1審で執行猶予の判決が言い渡されていた国家情報院の元世勲(ウォン・セフン)元院長が控訴審で、実刑判決を言い渡され、法廷内で拘束されました。
元世勲被告は、2012年の大統領選挙の際、国家情報院の組織の心理戦団の職員に対して、野党候補に不利な内容をネット上に書き込むよう指示するなど選挙に介入し、政治への介入を禁じた国家情報院法と、公務員の選挙への介入を禁じた公職選挙法に違反した罪に問われて、起訴されました。
しかし去年9月の1審では、特定候補への支援や選挙介入に対する指示はなかったため、公職選挙法違反にはならないとして、国家情報院法の違反だけが有罪となり懲役2年6か月と執行猶予4年、資格停止3年の判決を言い渡され、控訴していました。
ソウル高等裁判所は9日に行われた控訴審で、元世勲元院長に対して、国家情報院法に反した罪に加えて、2012年8月に朴槿恵(パク・クネ)大統領が与党セヌリ党の候補となってから、心理戦団の書き込みなどが急激に増えていることや、野党候補を非難する内容だったことなどを指摘し、1審では認めなかった公務員の選挙への介入を禁じた公職選挙法違反の罪に対しても有罪を認め、懲役3年の実刑判決と資格停止3年を言い渡し、法廷内で拘束しました。
裁判所は、「政治的独立性を守るべき情報機関の選挙への介入は、いかなる大義名分があろうと、合理化、正当化できず、元世勲元院長もその責任を免れない」と説明しました。
今回の判決は、当時の野党の大統領候補だった文在寅(ムン・ジェイン)氏が野党新政治民主連合の新しい党代表に選ばれた翌日に行われたことから、政界への影響が注目されます。
元世勲元院長の弁護人側は、日本の最高裁判所に当たる大法院に上告する意向を示していて、最終判断は大法院で出されることになりそうです。