黄祐呂(ファン・ウヨ)教育部長官が、中学高校で使われる歴史の教科書を国定教科書にする方針を示唆する発言をし、波紋が広がっています。
黄祐呂教育部長官は8日、韓国放送記者クラブの討論会に出席し、「歴史を3通り、5通りに教える理由はない。教室では、同じ歴史を教えるのが国の責任だ」と述べました。
黄長官は、「歴史を教えるなかで紛争の種を植えることがないようにしなければならない。具体的にどうすべきかは難しいところだが、近いうちに政府の方針が決まれば明らかにする」としています。
これは中学高校で使われる歴史教科書を、国定教科書にする方針を示唆した発言と受け止められています。
与党セヌリ党と教育部は、去年から歴史教科書を国定にする動きをみせていますが、これに対して全国の小中高校の歴史教師1000人あまりが「時の政権が決めたひとつの歴史観ですべての子どもを教育すべきだとする主張は極めて危険だ」として、実名で国定化に反対する共同宣言を発表するなど、教育界や市民団体などが強く反発しています。
韓国の歴史教科書は、2002年以降、出版社が教科書を制作して検定を受け、各学校が合格した教科書の中から自由に選んで採択する検定制度が実施されています。
現在、歴史教科書を国定にしている国は、北韓、ロシア、ベトナムなど少数にとどまっています。