旅客船の沈没事故をめぐって、辞意を表明した鄭烘原(チョン・ホンウォン)国務総理の後任に指名されていた安大熙(アン・デヒ)氏が28日、大法官を退官した後の弁護士活動で、巨額な報酬を得ていたとして論議を呼ぶ中、候補から辞退することを明らかにしました。
これは、安大熙氏が28日、ソウルで記者会見して明らかにしたものです。
このなかで、安大熙氏は、国務総理候補から辞退する理由について、「至らない私が、これ以上、国務総理候補を続けることは、朴槿恵政府に負担になる」と説明しています。
安大熙氏は、日本の最高裁判所の判事に当たる大法官退任後、弁護士活動で得た収入が、自ら明かした分で16億ウォン、1億6000万円にのぼり、法外な金額で「前官礼遇」だなどとする論議が巻き起こり、その後も「実際の収入はそれをはるかに上回る」などとするメディアの報道もあって、国民から批判の声が上がっていました。
これに対して、 安大熙氏は26日、「国民に恐縮に思う」と述べて謝罪するとともに、16億ウォンのうち、税金と寄付金を除く11億ウォンあまり、およそ1億1000万円を社会に還元する意向を表明していました。
国務総理に指名されたあと、候補を辞退したのは、朴槿恵政府発足当初、不動産投機疑惑で辞退した大統領職引継ぎ委員会委員長に続いて2人目です。
国務総理候補からの安大熙氏の辞退は、朴槿恵大統領の指名からわずか6日後のことで、朴政権の今後の政権運営にも影響を与えるものとみられています。
安大熙氏は、検事出身で、日本の最高検察庁にあたる大検察庁の中央捜査本部長などを経て、2006年から2012年まで、大法官を務めていました。
大検察庁の中央捜査部長だった2003年には、大統領選の不正資金疑惑の捜査を指揮し、大統領側近や政権与党にも捜査の手を伸ばし、政治家40人あまりを次々と起訴して、「国民検事」と呼ばれていました。