放火によって木造部分がほぼ焼失し、去年6月に復元された国宝第1号の崇礼門が、工事に問題があったとして工事をし直すことになりました。
ソウル市民から南大門として親しまれてきた崇礼門は、2008年の放火事件で木造楼閣の大部分が焼失し、去年6月に復元されましたが、その後、赤と青の絵の具、丹青が退色したり、柱に使われた木材に亀裂が生じたりするなどの問題が次々に明るみに出ていました。
このため、監査院が去年12月から3か月かけて監査したところ、復元工事に使われた丹青は天然の顔料ではなく、亀裂の生じた木材は、伝統建築に使われる韓国産の金剛松ではなく、安価なロシア産の木材で、屋根瓦も伝統的な方法で作ったものでないことがわかりました。
崇礼門は14世紀末に建造された貴重な歴史的建造物で、監査院では、このまま放置できないとして、文化財庁に対し、丹青や瓦などを修復する再工事を通知したものです。
また、復元工事がきわめてずさんだったとして、関係者の懲戒処分も実施するよう促しました。