ウォン高ドル安が進むなか、今年下半期には、1ドル＝1010ウォンまでウォン高が進む可能性があるとの見方が韓国の経済専門家から示されました。
これは、アジア金融学会のオ・ジョングン会長が、10日にソウルで開かれたウォンの為替レートに関する緊急座談会で述べたものです。
このなかで、オ会長は、「急激なウォン高は、企業が投資を減らしたことによる、いわゆる不況型黒字に起因するもので、今のままだと、今年下半期には、1ドル＝1010ウォンまでウォン高ドル安が進む可能性がある」としています。
また、オ会長は、かつてのウォン高円安の影響で、韓国経済が危機に直面した経験を例にあげ、ウォンの対ドル相場が、すでに韓国の輸出企業の損益分岐点とされる1ドル1060ウォンを下回っている状況で、ウォン高を放置すれば輸出がさらに鈍化し、中小企業の経営がさらに厳しくなるおそれがあると指摘しました。
一方、座談会に出席した保険研究院のイム・ジュンファン研究委員は、2008年のグローバル金融危機以降、ウォン高が最も進んでいるものの、韓国の外貨準備高は多いうえ、国の信用格付けが高いことから、金融危機が起きる可能性は極めて低いとの見方を示しました。