ソウル市職員のスパイ容疑事件の控訴審裁判で、検察側が証拠として提出した中国当局のものとされる出入国管理記録がねつ造されたとの疑惑に関連して、検察の捜査チームは10日午後、国家情報院がねつ造に関わった疑いがあるとして、国家情報院を家宅捜索し、関係書類を押収しました。
この裁判は、ソウル市職員の脱北男性が北韓に脱北者に関する情報を提供したとして、去年2月にスパイ容疑で起訴され、去年8月の一審での無罪判決を不服として検察側が控訴し、スパイである証拠として、国家情報院が中国当局から入手したとされる被告男性の出入国管理記録を提出していました。
ところが、この出入国管理記録がねつ造であるとの指摘が出たほか、ねつ造に関与したとして任意で取り調べを受けた中国籍の男性が自殺を図って疑惑が深まり、現在、検察の捜査チームが捜査を進めているものです。
検察の捜査チームでは、今回の国家情報院に対する家宅捜索で押収した関係書類をもとに、国家情報院が証拠のねつ造を直接指示、あるいは黙認した疑いがあるとして、解明を急ぐことにしています。
国家情報院が家宅捜索を受けるのは、去年4月の大統領選挙への不正介入事件に続いて、今回で3回目となります。
今回の疑惑に関連して、国家情報院は9日夜、「検察の捜査に積極的に協力する。物議をかもして申し訳ない」との立場を明らかにしたのに続き、10日には朴槿恵(パク・クネ)大統領が徹底捜査を指示してその日のうちに、国家情報院の家宅捜査が行なわれていて、一部では、大統領府青瓦台と国家情報院、検察が事前に協議したのではないかとする見方も出ています。