アメリカの量的緩和の縮小に伴って、新興国から投資資金が引き上げられ、世界経済が混乱するとの懸念が出ている中で、韓国企業にとっても対応策が必要との指摘がなされました。
これは韓国輸出入銀行が「新興国の金融危機可能性に関する報告書」を公表して指摘したものです。
それによりますと、新興国に対する韓国の輸出は全体の41%を占めていて、新興国が金融危機などに陥った場合、韓国の企業もその影響を避けられないと指摘しています。
新興国のうち、ウズベキスタンやロシアの場合には金融危機に陥る可能性はほぼないとされていますが、エジプトでは2014年の経常収支の赤字がGDPの8.5%に増え、トルコは7.2%まで増えるものとみられ、金融危機に陥る可能性が高いとされています。
また、エジプト、メキシコ、トルコ、インド、ベトナム、インドネシアの6か国の外貨準備高は、短期外債総額や3か月分の輸入額にも及ばない状況で、短期間に投資資金が引き上げられた場合、打撃を受けるものとみられています。
報告書では、新興国から投資資金が短期間に引き上げられた場合、新興国は短期外債などの償還が難しくなり、韓国の企業はこうした新興国への輸出が減ったり、輸出代金を回収することが困難なったりする恐れもあるとして、事前に対策を講じる必要があると指摘しています。