2010年3月に起きた韓国海軍の哨戒艦沈没事件をきっかけに、北韓への新規投資を制限した、いわゆる5.24制裁措置が取られて以来、開城(ケソン)工業団地と金剛山(クムガンサン)観光事業を除く、北韓との経済協力事業に投資した韓国企業の10社のうち7社は、休業や廃業に追い込まれていることがわかりました。
これは、無所属の国会議員が統一部から提出された南北経済協力に関する資料を18日に公開して明らかになりました。
それによりますと、南北経済協力事業に投資した韓国企業1100社あまりのうち、ことし9月までに国税庁に休業や廃業を届け出た企業はおよそ300社で27%におよぶということです。
届出はしていないものの、実際に休業や廃業に追い込まれている企業も含めると、10社のうち7社になるとされています。
また現代経済研究院が先月まとめた資料によりますと、5.24制裁措置によって韓国と北韓が被った経済的な被害も甚大であるということです。
韓国が2010年5月までに受けた被害額は9兆4000億ウォンおよそ8900億円、北韓は2兆4000億ウォンおよそ2300億円にのぼるとされています。
このように5.24制裁措置による被害が増えているなか、朴槿恵(パク・クネ)政権の発足後は、むしろ大企業には投資の門戸が開かれているという批判の声が出ています。
統一部はこのほど、ロシア企業を通じた北韓への間接投資はこの制裁措置の対象にあたらないとして、大企業3社に対してロシアが進めている羅津(ラジン)港とロシア極東地域のハサンを結ぶ鉄道建設工事への投資を認めています。