韓国の部品・素材産業について、競争力の面では、日本との差が広がる一方、中国との差が縮まるといういわゆる板挟みになっているとの見方が示されました。
これは、韓国貿易協会国際貿易研究院が3日まとめた報告書で明らかになったものです。
それによりますと、韓国の素材・部品の対日本貿易赤字は、2007年は188億ドル、およそ1兆8600億円だったのが、2012年には221億ドルに増え、報告書では、部品素材分野の競争力が強化されてきたとはいえ、日本との隔たりはむしろ広がっていると指摘しています。
一方、中国からの輸入が全体に占める割合は、2007年の24%から今年は27%に拡大し、日本からの輸入の21%を上回っています。
この背景には、中国の情報通信部品の競争力が急速に高まり、韓国の最大の輸出先だった中国が今では最大の輸入先となっていることがあげられています。
これについて、報告書は、「最近の部品素材育成政策は、対日貿易赤字の改善に向けた素材産業の競争力強化に重点を置いているが、急成長する中国の部品産業への対応策も講じる必要がある」と指摘しています。