消費量が年々減っているコメについて、輸入制限しても農家を保護する意味が薄れているとして、韓国政府は2015年からコメの輸入を全面的に開放する方針を決めたもようです。
これは国会立法調査処の資料でわかったものです。
それによりますと、韓国は、コメの輸入自由化について、1994年と2004年のガット・ウルグアイラウンド交渉で、米の例外なき関税化を2014年まで延期する代わりに、毎年米の輸入量を2万トンずつ増やしていて、2014年には50万トン近いコメを輸入する義務を負っています。
これについて、政府関係者は、米の消費量が年々減っている中で韓国産と輸入米の価格差が縮小し、輸入を制限しても農家を保護する意味が薄れてきているほか、例外なき関税化を延期すれば義務的輸入量がさらに増えて財政的にも負担が大きくなるとして、米の輸入を全面的に開放する方針を決めたものとみられます。
一方、コメの輸入を全面的に開放することに反対する意見も根強く、全面的開放に踏み切れば、今後の各国との自由貿易協定交渉で、米を例外品目にすることができなくなる可能性もあるとの指摘が出ています。
また、農民団体は、2004年以降も義務的輸入量を増やしていない国が多いとして、韓国も義務的輸入量を増やさずに現状を維持する権利があると主張し、今後論議を呼びそうです。