2007年の南北首脳会談で盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が韓国の西の海、西海の軍事境界線である北方限界線を撤回するとの趣旨の発言をした問題で、韓国の国家情報院が24日、自ら保管していた対話録を国会に提出して公開したことについて、関係者の間から南北関係に悪影響を及ぼしかねないと懸念する声が出ています。
2007年の南北首脳会談では、当時の盧武鉉大統領が北方限界線を撤回するとも受け取れる発言をしたとされる問題で、韓国の国会では与野党の論戦が続いていて、国家情報院は24日、与野党の求めに応じて自ら保管していた対話録を国会に提出して公開しました。
この対話録には、盧武鉉元大統領と北韓の故金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が、北方限界線について交わすやり取りが記されていて、専門家からは、北韓が「最高尊厳」とする故金正日国防委員長の非公式な場での発言が公開されたことに反発し、韓国を非難するおそれがあると懸念しています。
また、今後の南北当局会談や南北首脳会談の開催にあたっても悪影響が出かねないほか、南北間の対話が実現するとしても、率直な対話が難しくなるのではないかとの見方も出ています。
さらに、与野党の政治的論戦の末に、首脳間の対話録が公開されたことで、韓国外交への信頼が損なわれ、南北関係だけでなく、他国との外交にもマイナスになるおそれがあるとの指摘も出ています。
これまで北韓が首脳会談以外の南北対話の内容を一方的に公開したことはありましたが、韓国が首脳間の対話録を公開するのは極めてまれで、外交的な影響を考慮して数十年の期間が過ぎたものだけを公開するのが外交上のならわしだっただけに、今回の対話録の公開に対する北韓の出方に関心が集まっています。