韓国の最高裁判所にあたる大法院が退職金などを算定する基準賃金に賞与を含めるべきだとする判決をめぐって、アメリカを訪問中の朴槿恵大統領は現地時間の8日、「合理的な解決策を見出したい」と述べたことから、労働側が判決を無視するものだとして反発しています。
退職金などを算定する基準賃金について、アメリカの自動車大手GMの韓国法人の労働組合は、賞与も含めるべきだとして提訴していた裁判で、韓国の最高裁判所にあたる大法院は今年3月、基準賃金に賞与を含めるべきだとする判決を言い渡しました。
一般に基準賃金は、基本給と諸手当だけで、賞与は含まれおらず、財界からは、基準賃金に賞与を含めた場合、企業の人件費の負担は38兆ウォン、およそ3兆4000億円増えるとして強く反発しています。
これに対して、韓国政府は、財界や労働界双方の意見を聞いたうえで、労働法改正などを通じて問題解決を図っていくとの姿勢を示していますが、アメリカを訪問中の朴槿恵大統領は現地時間の8日、ワシントンで「難しい問題だが、合理的な解決策を探していきたい」と述べました。
この朴大統領の発言について、労働界では、大法院の判決を無視した危険な発想だとして強く反発していて、今後論議を呼びそうです。